ソフトウェアエンジニアとして就職・転職する場合に、何か資格があったら有利かなーと考えている方多いと思います。
最もメジャーな資格と言えば、IPA(情報処理推進機構)の国家資格である情報処理技術者試験ですよね。
情報処理技術者試験にはレベル1~レベル4までありますが、まずは基本となる基本情報技術者試験(レベル2)や応用情報技術者試験(レベル3)の合格を目指す人が多いかと思いますが、
結論から述べますと、就職に特別有利だとか、業務にすぐに役に立つことはありません。
あくまで自己研鑽のために勉強するのがメインの資格です。
目次
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験は就職に有利か?
基本情報・応用情報ともに、出題範囲は
- テクノロジ系
- マネジメント系
- ストラテジ系
の3種類です。
基本情報ではこれら3系統に関する基本的な問題が、応用情報では若干深い専門性を問われる問題が出てきます。
どちらの試験も勉強する範囲(広さ)はほぼ同じです。違うのは、専門性(深さ)です。
つまり基本情報に合格すれば、これらソフトウェアエンジニアとして必要な幅広い知識を得ていることの証明になりますし、
応用情報に合格すれば、より深い専門性を得ていることの証明になります。
基本情報技術者試験は就職に有利なのか?
まず、基本情報が就職に有利に働くことはほぼ無いと思ってください。
いわばソフトウェアエンジニアであれば合格しててて当たり前(もしくは相当の知識を持ってて当たり前のレベルの試験)だからなんですね。
理系大学の在学中に問題なく合格できるレベルの試験なので、アピールポイントになりにくいですね。
新卒の方なら履歴書に書いてもいいですが、書かなくてもほぼ影響ありません。
※文系の方であれば書いておきましょう。文系=知識皆無と思われて書類選考で落とされるのを防ぐためです。
ただし、転職者の方はむしろ履歴書に書かない方がいいレベルかもしれません。
応用情報技術者試験は就職に有利なのか?
応用情報であれば、就職先によっては多少有利に働く場合もありますが、そこまで甚大な効果はありません。
ソフトウェアエンジニアとして、一応何でもやれそうな技量はあると認められますが、即戦力になりうるわけではないですからね。
理系大学の卒業までに合格する人もそれなりにいらっしゃいます。
履歴書には書いた方がいいですね。全般的な専門性を持っているわけなので、プラスになってもマイナスにはなり得ません。
※文系新卒の方であれば絶対に書きましょう。必ず面接時の話のネタになります。
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験は業務に役に立つか?
基本情報・応用情報ともに、業務を進める上で必要になる知識が身に付くので、話についていく(先輩や上司が何言ってるか分かる)ことや新しいことへの取っ掛かりが早くなるなどの役に立ちます。
ただ、その知識をそのまま業務に生かせるかどうかは業務次第なので何とも言えないのが正直なところです。
また、基本情報・応用情報では幅広い知識を得ることができますが、例えばプログラマーが実業務でストラテジの知識を生かせる機会があるかと言われると、疑問です。
得た知識量全体に対し、今現在の実業務で生かせる割合は1%ほどかもしれません。あるいはそれ以下か。
ただし、立場や仕事内容が変わったりした場合に、幅広い知識があることで比較的速やかに新しい業務に慣れることができるという点が非常に優れたメリットです。
結局のところ就職や転職・業務に役立つのは高度試験(レベル4)から
役に立つレベルの資格はやはり高度試験(レベル4)になります。
実際、私の会社でも基本情報・応用情報は持ってて当たり前のレベルなので、高度試験を1つは合格していないと専門性があるとは判断されません。(ちょっと厳しいですよね…。)
ただし、基本情報・応用情報は幅広い情報処理全般の知識を得ることができますので、勉強しておいて損はない資格です。
先ほども記載しました通り、直接的に業務に役に立つことは少ないかもしれませんが、事前に知識として持っておくことで幅広い業務に素早く柔軟に馴染んで対応することが可能になります。
基本情報・応用情報を受けようか迷っている人は、就職に有利かとか業務にすぐ役立つかとかは一旦置いておいて、自分の知識量を増やすために、自分のスキルアップのために勉強して受験することをオススメします。