最近、格安SIMの普及が進んでいますよね。
私は格安SIMをここ6年ほど使用しているのですが、正直格安SIMは安くて素晴らしすぎます。もうキャリア(docomo、au、softbank)に戻る理由がありません。
しかしながら、格安SIMでのトラブル事例も数多く存在しています。Yahooニュースなんか見てるとそういう系の記事がトップで出てきたりしますよね。
それはなぜかというと、格安SIMのデメリットを正しく理解していないからです。
デメリットを正しく理解して、自分の力で格安SIMを扱える方には格安SIMはとても魅力的、というか、もう無くてはならない存在なのですが、「安い!」に安易に飛びついて何も情報を持たずに格安SIMに変えてしまった人は、後で必ず後悔することになります。
雑誌やテレビCM、ネットの記事には「格安SIMにすべし!」というフレーズがあふれています。しかし、私はそのフレーズを見るたびに常に疑問を抱いています。
なぜなら、格安SIMは、その辺の人たちが簡単に使いこなせるほどのシロモノではないからです。
ここをしっかりと理解してないから、格安SIM被害者が出てしまうんですよね。
格安SIMに変えようか迷っている皆さん、私が格安SIMのデメリットについて解説していきますので、自分にできそうかどうかをはっきりと見定めてから乗り換えを検討してくださいね。
目次
そもそも格安スマホ(格安SIM)って何だ?
まず、格安スマホと格安SIMは違うものです。先に言葉について覚えましょう。
格安SIMのことを格安スマホって書いてある雑誌や記事がありますが、正確にはウソです。
理解が不十分な人が書いたのか、それともSIMって言葉が通じないからスマホって敢えて言っているのか分かりませんが、格安スマホと格安SIMは別物です。
- 格安スマホ:安価なスマートフォン本体
- 格安SIM = 安価な通信サービスを提供する会社(MVNO)からレンタルするIDカード
のことです。
MVNOとは仮想移動体通信事業者のことで、キャリア(docomo、au、softbank)から通信回線を借りて、それを我々利用者に又貸しするサービス事業者のことです。
格安スマホ
格安スマホとは、その名の通り安価なスマホ本体のことです。
キャリア(docomo、au、softbank)で購入すると、だいたい5万~10万円程度しますよね。我々はそれを分割で買っているので値段をあまり意識しないかもしれませんが・・・。
iPhone、Xperia、Galaxy、arrows、AQUOSなどのハイスペック端末は少なくとも5万円以上します。
対して格安スマホとは、海外製のスマホや、国内スマホの廉価版(ロースペック~ミドルスペック)が多いです。概ね3万円以下、安いものだと1万円を切るものもあります。
海外メーカーだとファーウェイ、ASUS、モトローラ、OPPOなどが、国内メーカーだとAQUOSやarrowsなどが有名ですね。
格安と名の付く通り製品スペック自体は高くありませんが、日常使いなら十分なスペックを持つものが大半です。
日常の用途が以下の利用方法だけの場合、実は格安スマホのスペックで十分なのです。
・twitterやインスタなどSNS
・ニュースやショッピングなどのネットサーフィン
・Youtube等の動画視聴
・高度なグラフィック処理を必要としないスマホゲーム
正直、10万のハイスペックスマホを買ったとしてもそのスペックを生かし切れている人はごくごく一部です。高度な3D描写を必要とするリアルタイムの対戦ゲームをする人くらいですね。
大半の方のスマホの利用方法はSNSやYoutube、ネット、スマホゲームが主な利用方法ではないでしょうか?そうであれば、ミドルスペックで十分すぎます。
格安SIM
格安SIMとは、先ほどの記載しました通りスマホにセットするIDカードのことなのですが、月々の月額通信・通話料金のことだと思って頂ければ結構です。
格安SIMに置き換えると月々の利用料がどうなるかと言いますと、
私の場合は
・通信料 月額900円(3GBまで)
・通話料 月額700円+使った分だけ(30秒で20円)
です。
通話料は使った分だけかかりますが、知り合いならLINEで無料通話しているので、私はほぼゼロで済んでいます。
この安価な月額サービスを扱っている業者がいわゆるMVNOと呼ばれる格安SIM業者です。
TVのCMなんかでマイネオとか、楽天モバイルとか、Biglobeとか、UQモバイルとか目にしますよね。MVNOは今では数えきれないほどの業者が存在しており、そのサービス内容も様々です。
mineo(マイネオ)|au・ドコモ・ソフトバンク対応の格安スマホ(SIM)
なぜこんなに安価なのか?と疑問に思われると思いますが、答えは簡単で、キャリア(docomo, au, softbank)から回線を借りて、又貸ししているだけなので、人件費も機材費もメンテナンス費もほとんどかからず安く提供できるんです。
そして、貸出元のキャリアですが、総務省から、”MVNOには〇〇円以下で提供しろ”というルールが定められていますので、キャリアが勝手に高い値段を設定できないんです。これが安さの理由です。
ちなみに、格安スマホ=スマホ本体と言いましたが、格安SIM業者は自社のサービスと格安スマホ本体をセット売りしているところが多いです。
よって、最近では格安スマホ=格安スマホ本体+通信サービス(SIM)のセットを指す場合が多いです。
<格安SIM>
安価な通信サービスのこと
<格安スマホ>
安価なスマホ本体のこと または 安価なスマホ本体+格安SIMのセットの総称
格安スマホ(格安SIM)の2大デメリット
格安スマホ(格安SIM)の最大のデメリットは、
- サポート体制が不十分
- 通信速度が遅い時間帯がある
この2点です。
サポート体制が不十分
これが最大のデメリットです。
もう一度言います。
これが最大のデメリットです。
格安SIMを提供しているサービス業者のほとんどが、十分なサポート体制を整えていません。
キャリアのように、全国の都道府県のいたる所にショップがあり、ショップに行けば分からないところを丁寧に説明してくれて、なんならメールやLINEの使い方までも説明してくれて、データが消えてしまったらバックアップの対処までもしてくれて、とにかく分からないところ・困ったところは聞けばすぐに解決してくれ、しかも修理が必要なら代替機も貸してくれる
なんてことは一切ありません。
まず、ほとんどの格安SIM業者は実店舗を持っていません。例外としてUQモバイルや楽天モバイル、ワイモバイルは実店舗があるところがありますが、残念ながら全国規模ではありません。
何か聞きたいことがある場合に問い合わせる方法としては、電話対応があれば良い方で、メールやチャット対応のみの業者も存在します。
つまり、電話口の対応や文章だけの返答で困りごとを解決できるだけのITリテラシーが無い人は
路頭に迷うことになります。
また、申し込みから設定までもすべて自力でこなさなくてはいけません。
申し込みはネットから申し込みます。申し込みが無事完了すると、SIMカードが送られてきます。自分のスマホで通信ができるように、このSIMカードの設定も自分で行わないといけないのです。
慣れた方は1分でできますが、初めての方で事前知識が何もないようでしたら、かなり厳しいと思います。
- 申し込みから設定までを自力でやる
- トラブルがあったら自分で解決しないといけない
これまでショップ店員任せで歩んできた人には、正直格安SIMの利用は難しいと言わざるを得ないです。
どんなに良いものでも、知識がなければ使いこなすのは難しいので、トラブルを避けるために自分からは勧めないようにしています。もし知人のほうから「格安スマホって安いんでしょ?やり方教えて」って聞かれたら、まずデメリットを紹介したうえで、自分に扱えそうか検討することを勧めます。
通信速度が遅い時間帯がある
2つ目のデメリットです。これも凶悪です。
キャリアから格安SIMに移ったときに真っ先に感じることは、
「速度遅くね?特に昼と夕方」
残念ながら、格安SIMは昼と夕の時間が極端に遅いのです。
これはどこの格安SIM業者もほぼ共通している問題です。なぜなら、格安SIM業者は回線を間借りしているだけなので、その回線網に利用者が多くなると、回線が圧迫されてしまうからです。
イメージとしては、GWや年末年始の高速道路って渋滞しますよね。普段はすんなり流れているのに、イベント時には渋滞が起きるのは、利用者が増えるからですよね。
格安SIMも同じで、昼休みの時間帯(12:00~13:00)と、仕事終わりの時間帯(17:00~19:00)はネット利用者が極端に増えます。そのことで、回線が圧迫されて極端に通信速度が落ちてしまうのです。
キャリアでは、通信速度が落ちないように色々回線をうまくいじって対応できますが、間借りしているだけの格安SIM業者は基本的に何もできないので、こういった事態に陥ってしまいます。
どれくらい遅いのか?というと、楽天市場やAmazonがほとんど見れないレベルです。画像が全く開かないのです。かろうじて、ニュースのような文字ばっかりのページなら見れますが、それでも遅いです。
格安スマホ(格安SIM)のその他のデメリット
他にもデメリットがたくさんありますが、上の2つに比べたら誤差レベルです。
一応、代表的なものを4つ紹介していきますね。
- クレジットカード払いしか対応していない業者が多い
- キャリアメールが使えない
- スマホ本体を持っているのに、新しく買ってしまった
- おサイフケータイが使えない(格安スマホ)
クレジットカード払いしか対応していない業者が多い
これはそのままの意味です。基本的にはクレジットカードしか対応していない業者が多いです。私は6社転々としてきましたが、どれもクレジットカードしか対応していませんでした。
もしクレジットカードを持っていない方で格安SIMを検討しているのであれば、クレジットカードは早めに作っておきましょう。
キャリアメールが使えない
キャリア(docomo、au、sofbank)のメールアドレスは使えません。
“xxx@docomo.ne.jp”とかのメールアドレスですね。
もしメールでしかやり取りしていない人がいるのであれば、格安SIMに乗り換える前に代わりの連絡方法を通知しておきましょう。(LINEやGmailなど)
スマホ本体を持っているのに、新しく買ってしまった
これは一種の罠です。
格安SIM業者には格安スマホとセット販売している業者も多数いますが、そうすると勘違いしてしまう方が一定数存在します。
その勘違いとは、
「格安SIMを使うためには、一緒に売っているこのスマホを買わないといけない」
というものです。
これは誤りで、手持ちのスマホがあるのなら、そのスマホに格安SIM業者のSIMをセットすれば、そのまま使えます。新しくスマホを買う必要はないのです。
知人で、ハイスペックのXperiaを持っているのに、なぜかミドルスペックの格安スマホに変更した人がいます。自らスマホをランクダウンさせてしまったんです。
ちょっと悲しい話ですよね。
おサイフケータイが使えない(格安スマホ)
格安スマホは海外メーカーが多いので、おサイフケータイの機能が無いものが多いです。
キャリアで購入するスマホはほとんどがおサイフケータイに対応していますので、そのままの感覚で格安スマホを買うと、おサイフケータイの機能が無くて困る人がいるのではないかと思います。
もしおサイフケータイを頻繁に使う人であれば、格安スマホを購入する際はおサイフケータイの機能があるかどうかをチェックしてくださいね。
まとめ
今回は、格安スマホ(格安SIM)のデメリットについてお伝えしました。
一番言いたかったことは、トラブルが起きたらサポートに頼らずに、自力で何とかできる人じゃないと使用は難しいよということです。
トラブル事例集なんかを見ると、「いや、それってちょっとググればすぐ答え見つかるよ」ってモノが本当に多いです。でも初心者の人からしてみれば、”何をどう調べたらいいか分からない”って状態なんですよね。やはりそういった人に格安スマホを勧めるのは得策ではない気がします。
もちろん、自力で解決できる知識と調べる力さえ備わっていれば、格安スマホ(格安SIM)はそこまで難しくないので、ぜひ自力で解決できる知識と調べる力を身に付けてくださいね。