「溜まりに溜まった紙文書をスキャナーでスキャンして電子化したい」
「スキャナーを買いたいけど、使ったことないし難しそう」
近年、働き方改革の一環としてペーパーレス化が流行っていますよね。紙文書をスキャンして電子化すると、本当にたくさんのメリットがあります。
ペーパーレス化のメリットについてはこちらの記事をご覧ください。

しかし、もしかしたら”スキャナーで紙文書を電子化するのはハードルが高いなー”と感じているのではないでしょうか?
実際、スキャナーを使ったことがある人なんてほんの一握りだと思いますので、そう感じるのは当然ですよね。
そこで今回は、スキャナー初心者の方に向けて
- スキャナーってどんな種類があるのか
- 用途に合わせたスキャナーの選び方
この2点について、難しい専門用語を極力使わずに解説したいと思います。
ぜひ読んでみてください。
目次
スキャナーってそもそも何?どんなことができるの?
まずそもそもの話として、スキャナーって何なのかを簡単に解説します。
スキャナーとは、紙文書に光を当てて、レンズで紙文書を撮影する機械です。
スキャナーとカメラで決定的に異なる点は、紙文書とレンズとの距離です。
スキャナーは超至近距離から紙文書を撮影しますので、文字や紙の地色もカメラとは比較にならないほどくっきりとキレイにスキャンできるんです。
どんな種類の紙がスキャンできるの?
スキャナーは基本的にはどんな種類の紙でもスキャンすることができます。
- 文書
- 写真
- 名刺
- パンフレット
- 雑誌やマンガ
- カード類
ただし、スキャナーによってスキャンできる紙の大きさや、紙の厚さが異なります。
スキャンしたらどんなデータになるの?
スキャナーでスキャンした電子データは、JPEGやPDFなど様々なフォーマットで出力することができます。
なお、スキャナーに付属しているソフトウェアは色々な画像処理をしてくれるので、最終的にとてもキレイな画像になるんです。
例えば、文字が読みやすいように文字をくっきりと強調したり、パンチ穴が空いている部分を埋めてくれたりします。
スキャナーの種類
それではスキャナーにはどんな種類のスキャナーがあるのかを解説していきます。
大きく分けて4タイプに分類されますが、主流は上の2つです。
- ADF(自動給紙)タイプ
- フラットベッドタイプ
- ハンディータイプ
- オーバーヘッドタイプ
ADF(自動給紙)タイプ
スキャナーの主流のタイプがこのADFスキャナーです。
ADFとは「Auto Document Feeder」の略で、自動給紙という意味です。
複数の紙をスキャナーにセットしておけば、1枚ずつ自動で給紙(取り込み)してスキャンしてくれる超便利なスキャナーです。
以下はScanSnap ix1600というADFスキャナーですが、
このスキャナーの上部(ホッパー)に複数枚の紙を置いてスキャンを実行すると、1枚ずつ紙がスキャンされ、下の受け皿(シューター)に紙が排出される仕組みです。
このix1600は、なんと1分間に40枚もの紙を自動でスキャンできるんです。
手間がかからないのでめちゃくちゃ便利なのがADFスキャナーの最大の特徴なんですね。
別名、シートフィードスキャナーや、ドキュメントスキャナーとも呼ばれます。
ただし弱点(というか特性)として、紙が詰まったりすると破れたりして破損する可能性があるのと、分厚すぎる紙はスキャンできない(給紙口を通らない)などが挙げられます。
また、雑誌などの冊子になっているものに関しても、冊子のままではスキャンできないので裁断機などで1ページずつに裁断する必要があります。
フラットベッドタイプ
恐らくスキャナーのイメージとして多くの方に馴染みのあるのが、このフラットベッドタイプだと思います。
本体のフタ(裏当て)を開けて、ガラス面に紙をセットし、フタを閉じてスキャンします。
フラットベッドタイプでは、紙を1枚ずつセットしてスキャンして取り出して、またセットしてスキャンして取り出して・・・を繰り返すので、枚数が多いと非常に手間がかかるという弱点があります。
しかし、分厚い紙でもスキャンが可能というメリットがありますし、雑誌などの冊子類も裁断することなくスキャンできる点が特徴です。
ハンディータイプ
このタイプは、自分の手でレンズ(本体)を動かしてスキャンするスキャナーです。
紙とレンズの距離や、レンズ(本体)を動かす速度が慣れないと難しいので、使われるシーンはそれほど多くありません。
初心者の方はハンディータイプのスキャナーは特にチェックしなくても大丈夫です。
オーバーヘッドタイプ
これは少し変わったスキャナーです。
用途はフラットベッドタイプと似ていますが、フタがありません。
これは紙がどこにも接触しないので、非接触型・非破壊型スキャナーとも呼ばれ、歴史的価値のある重要な本をスキャンしたり、紙以外の物をスキャンする場合などにも使われます。
こちらも、使われ方が少々特殊なので初心者の方はオーバーヘッドタイプのスキャナーはチェックしなくても大丈夫です。
スキャナーといえば最初に紹介したADFスキャナーを指すことがほとんどなので、
スキャナーを買う = ADFスキャナーを買う
と認識頂ければOKです。
スキャナーの選び方(用途別)
“スキャナーといえばADF”ということを覚えて頂けたかと思います。
では実際にどのようなADFスキャナーを選べばいいのか、その観点(チェックポイント)を解説していきます。
- どこで使う?
- 何で繋ぐ?(USB?ネットワーク?)
- 大量にスキャンする?
- ブランドイメージは重視する?
どこで使うのか?家やオフィスで使うのか、それとも持ち運びたいのか
スキャナーをどこで使いたいかという点は非常に重要です。
なぜならこの答えによって、買うべきスキャナーがかなり絞られるからです。
家やオフィスに据え置いて使うのであれば特段考慮する必要はないのですが、持ち運んで客先やカフェなどで使いたい場合は小型・軽量のモバイルスキャナーも選択肢に入ってきます。
据え置きか持ち運びか、この選択は最重要なのでまずは自分がどちらの用途を主に使うかを考えてみてくださいね。
スキャナーは何で繋ぐのか?USBで使えればいいのか、それともネットワーク(wifi)で使いたいか
スキャナーは基本的にはパソコンにUSB接続で使用しますが、最近のスキャナーはネットワークに対応したものが多く発売されており、USBケーブルもパソコンもなしでスキャンすることもできます。
こちらのScanSnap ix1600は、初期設定はパソコンが必要ですが、いったん設定をしてしまえばあとはパソコンもスマホもUSBケーブルも不要で、ネットワークさえあれば本体のタッチパネルからスキャンしてクラウドに画像を保存してくれます。
どのメーカーのスキャナーも最近のモデルであればネットワークに対応しているものが主流ですが、ひと昔前の旧モデルだとUSB接続のみのスキャナーもあり、安く買える場合があります。
もしUSB接続のみでも問題ないのであれば、安価な旧モデルを探すのも選択肢としては十分にアリです。
一度に大量にスキャンするのか?それとも数枚程度なのか?
一度にどれくらいの紙をスキャンするかによっても選択すべきスキャナーは変わります。
例えば上で紹介したScanSnap ix1600は、1分間で一気に40枚の紙をスキャンできますので大量の紙を電子化したい場合に絶大な時間的効果を発揮します。
しかし、ScanSnap ix1600は約5万円もする高価なスキャナーなので、もしスキャンする紙が毎回1~2枚程度なら、もっと低価格のスキャナーでも問題ないかもしれません。
宝の持ち腐れにならないよう、”自分がどれくらいの紙をスキャンするのか?”は事前に想定しておいた方が良いですね。
ブランドイメージは重視するのか?海外の無名ブランドでも抵抗ないか?
スキャナーは色々なメーカーが発売していますが、国内の有名ブランドから海外の全く聞いたことのないメーカーまで様々です。
実は、スキャナーの機能や性能自体には、国内・海外メーカーにそれほど劇的な差はありません。むしろ、海外メーカーの方が機能が豊富な場合もあります。
国内ブランドにこだわりがないのであれば、安価な海外メーカーのスキャナーを選ぶのも選択肢としては十分アリです。
国内の有名スキャナーメーカーは以下の通りです。
- 富士通(PFU)※シェアNo.1
- Panasonic
- Canon
- Epson
- Brother
他でもいいかな、と感じた方は、Amazon等で「スキャナー」で検索すると出てくる安価なスキャナーをぜひ探してみてください。
Amazonで「スキャナー」の一覧を見る
もし、「そう言われても、やっぱり初心者だし全然分からないよ」
と思われる方は、少々高価ですが上で紹介しましたScanSnap ix1600を購入しておけばまず間違いないです。シェアNo.1の富士通のフラグシップ(最上位)モデルです。
※ScanSnap ix1600が登場する前は、ScanSnap ix1500が最上位機でした。
ix1500もアップデートされているので、価格が下がったix1500を買う選択肢もアリですよ。

スマホのスキャンアプリとの違い
実はスキャナーを買わなくても、スマホのカメラで紙を撮影すればそれっぽいスキャン画像を生成してくれるアプリがたくさんあります。

こういったカメラのスキャンアプリを使うのもアリなんですが、スキャナーとスキャンアプリの違いは何でしょうか?
答えは“ピント”です。
スキャナーには原稿を読み取るためのセンサーが1列にずらっと並べられているので、原稿の隅から隅までピントが合ったきれいな画像を読み取ることができるんです。
しかしスマホのスキャンアプリは、原稿の読み取りはスマホのカメラを使うのでセンサー(レンズ)は1つです。
つまりピントの合う範囲が狭いのです。
試しに手元にあった洗濯機の説明書をスキャンアプリで撮ってみました。

きれいに映っているように見えるのですが、拡大してよく見てみると…
右下部分はくっきりですが、左上部分は少しぼやけているのでピントが合っていないことが分かります。

これくらい気にならないという方はスキャナーを買わずともスキャンアプリでもOKです。
ただし、ページの分だけパシャパシャ撮らないといけないので、紙が大量にある場合はスキャナーを使った方が効率は良いです。
まとめ
今回は、スキャナー初心者の方に向けてスキャナーの種類とスキャナーの選び方について、難しい専門用語を極力使わずに解説しました。
最後にまとめます。
スキャナーの種類
- ADF(自動給紙)タイプ
- フラットベッドタイプ
- ハンディータイプ
- オーバーヘッドタイプ
スキャナー選びの観点
- どこで使う?
- 何で繋ぐ?(USB?ネットワーク?)
- 大量にスキャンする?
- ブランドイメージは重視する?
補足:スキャナーはまずはレンタルから始めてみるのもアリ
最後に、スキャナーはいきなり買わずにレンタルから始めてみるのもアリです。
スキャナーは買おうと思っても数万円しますので、なかなか踏ん切りがつかないですよね。
そういう場合は、数千円からスキャナーをレンタルできるサイトもありますので、まずはお試しで利用してみるのも良いと思います。
「スキャナー」で検索するとレンタルできるスキャナーがヒットしますので、ぜひ探してみてください。
それでは、ぜひスキャナーを有効活用して、ペーパーレス化を進めていってくださいね!