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「理系は文系を兼ねる」というけれど、そんなことはない【エンジニアのひとりごと】

「理系は文系を兼ねる」というけれど、そんなことはない【エンジニアのひとりごと】
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迷ったら理系へ行け

 

高校時代、こういうアドバイスを嫌ほど耳にしてきた。

文系か理系か、進路に迷ったらとりあえず理系に行くのがセオリーである。

(無論、理系科目である程度の点数が取れることが前提ではあるが)

 

理系から文系の職種に就くことはできるが、文系から理系の職種に就くことはできない(または相当難しい)というのが理由だそうだ。

つまりは “大(理系)は小(文系)を兼ねる” 理論である。

 

しかしこれは本当なのだろうか?

 

目次

“理は文を兼ねる”のか?

私は高校時代、そういった考えをずっと疑問に思ってきた。

 

しかしそういう風潮だったのだから、理系に進むしかない。

当時やりたいことが特になかった私にとっては “選択肢の広さ” が重要だった。

 

やりたいことがあるなら文系だろうと理系だろうとその道に向かってまっすぐ進めばいいけれど、

やりたいことが無い以上、文系に進んで就職先の間口を狭める必要はどこにもない。

 

理系は受験が辛い

私は数学が苦手だった。物理も苦手だった。化学は辛うじて並みレベル。

逆に国語と英語が得意だったのである。なんなら世界史も。完全なる文系である。

 

でも理系に進まなきゃならない。

幸いにも私はゲームが好きで、パソコンも好きだった。

だから情報系に進んでパソコンを使う仕事を目指してみよう、そういう思いが芽生えてモチベーションに繋がった。

 

文系の私大に行く同級生は国英社の3教科しか勉強しなくていいらしい。

羨ましいなと思いつつ、結果的になんとか情報系の学科に入学できた。

 

大学ではどうか?

文系と理系でキャンパスが分かれている大学もあるが、私の行った大学では文系と理系は同じキャンパスで活動していた。

 

世間では “文系は遊んでいる” イメージがあるがそんなことはない、理系だって遊んでる人は遊んでいる。

要はその人の性格によるものである。

もちろん、理系の方がやること(課題)が多いと体感的には思う。

 

情報系の学科に進んだが、予想とは違ってプログラミングは思ったほどしていない。

全体のコマの半分は一般教養が占めている。

情報系の授業では、データベースとかOSとかセキュリティとか、開発手法とかテスト技法とかを学ぶのだけれど、パソコンは使わず教科書とノートだけの授業である。

プログラミングの授業は週に一度。

正直、これで就職しても即戦力になるとは思えないが、基礎は身に付いた。そんなレベル。

即戦力を期待するなら専門学校に行ったほうが良いなとも思えた。

 

大学では他学部の授業も受けられるので、心理学とか経済学とかも受講したりした。

文理両方を極める学生がいてもおかしくない。

 

就職活動

大学3年になり、就職活動が始まった。

主な就職先は、文系なら商社や販社、メーカーの営業職、テレビ局や出版社などのメディアだろう。

理系ならメーカーの開発職や研究機関などがメインになるだろう。

 

ここで、 “理は文を兼ねる” のなら、理系は商社やメディアにも受かるはずである。

私の周りには、理系が結局合わず文系の就職先を探している人も少なからずいた。

しかし不思議なことに、理系が文系の領域を受けて内定をもらった人が私の周りにはいなかったのである。

この人たちも結局はメーカーの開発職に就職が決まったり、大学院に進んだりした。

 

もしかすると採用する側にも、「何で理系がウチに?」とか、「コミュニケーション力はやっぱり文系が上」といった思いがあったのかもしれないし、

それか 理系は文系の知識を包括するけど、知識があることと文系の仕事ができるかということは関係がない のかもしれない。

 

エンジニアは理系が有利か?

私はソフトウェア開発をしているエンジニアだが、エンジニアに文理は関係ないと言われている。

要はプログラミングは論理的思考力が重要であるし、アプリやウェブサイトのUI/UXといったデザイン性はむしろ文系の方が優れているとも言われている。

 

また、SEの場合はコミュニケーション力も重要である。

顧客が求めるモノを汲み取り、デザインし、調整し続ける能力に長けていないと務まらないのは事実である。

 

よって、エンジニアの分野では文系・理系どちらが有利とかは無いのである。

理系であることとコードが書けることに相関関係は無いし、また理系であることが優れたユーザー体験を生み出せることも相関関係が無い。

文系からWebエンジニアデビューなんてのはよくある話である。

 

ただし、以下の分野においては理系の方が優位である。

  • AI(ディープラーニング)エンジンの構築
  • 3DゲームやVRソフト開発

これらは物理や数学の知識が必須であり、応用する力も試される。

もちろん理系だからすんなり開発できるというわけではないし、最初はめちゃくちゃ大変ではあるけれども、

理系には数学や物理の基礎知識があるので、全く基礎の無い文系よりは素早く習得できる。

逆に言えば、文系がこれらをやろうとするのは無謀ともいえる。

 

まとめ

とりとめのない独り言になってしまったが、理系は文系を兼ねるという言い伝えは就職においても、実際の仕事においてもそう当てはまるものではないと私は思う。

 

ただ、選択肢の幅は明らかに理系の方が広いし、やりたいこと・進みたい道が決まってないなら迷わず理系を選ぶべきという点は賛成である。

ただし、私立の場合は理系の学費は文系のおよそ2倍になるため、それが難点か。