エンジニアのひとり言

trelloの公開設定問題でさらに露呈した”IT後進国”日本

trelloの公開設定問題でさらに露呈した"IT後進国"日本

2021年4月6日の早朝、Twitterにtrelloがトレンド入りしていた。

trelloはタスク管理ツールと言われるもので、リモートワークが普及した今、便利なツールとして話題になったのかなと思いきや、

就活生の個人情報が丸見えになっている” というとんでもない内容だった。

trelloの公開範囲を”公開”に設定してしまっているのが直接的な原因だ。

 

Googleで検索してみると、確かに出る出る個人情報の山。

就活生だけじゃなく、色々なワードで検索するとヤバそうな内容がずらり。

 

しかしなぜこんなことになってしまったのだろうか?

やはり日本のITリテラシーの低さが根本にあるのではないか。

 

“IT先進国”とは口が裂けても言えない日本

少し前から日本はIT後進国だと言われるようになってきたが、

コロナ禍のマイナンバーカードシステムでついに世間一般に露呈してしまった。

 

十数年前は、日本は紛れもなくIT先進国だったのだ。画期的なシステムを作り、多くの企業がその恩恵を受けている。

しかし、それらのシステムが優秀すぎたため、長期にわたって継続して利用されることになる。

今もなお十年前のシステムをメンテしながら使い続けるなんて企業はザラにある。

つまりは、メンテすれば十分で、新しいシステムは不要な場合が多かったのだ。

 

新規開発よりもメンテナンス。開発側の企業もそれで十分食っていけた。

その間に、他国にガンガン抜かれていったのである。

これが、今や日本がIT後進国たる所以だ。

 

“誰でも簡単に使える”ことが逆にアダに

ひと昔前のツールといえば、一見さんお断りなソフトウェアだらけだった。

使い方は人に聞くか、マニュアルをガン見しながらじゃないと使えない、

ちょっとでも操作を間違ったら対処不能なエラーが起きたり、データを消してしまったりと使いこなせるまでに時間を要す。

よって誰しもが慎重に、勤勉にならざるを得なかった。

そして、これに付いていけない者はITに触れることを諦めた。IT弱者の誕生だ。

 

ところが最近のアプリはどうだろうか。見ただけで直感的に簡単に使えるアプリだらけだ。

マニュアルなど読んだことが無い人が大半だろう。むしろ最近のアプリにはマニュアルなんてものが存在しないことが多いのかもしれない。

 

だから初心者でも、かつてはIT弱者だった人でも簡単に使えるのだ。これが逆にアダとなる。

簡単に使えるが故に、慣れてくると “見境いなく適当に” 使ってしまうのである。

 

そういったITに疎い、ITリテラシーが低い人は最初こそ慎重になっても、だんだんと適当に使うようになる。手当たり次第にアプリを入れるようになる。

無料だからと、利用規約など読まずに利用を開始するだろう。

初期設定は特に何も考えずデフォルトのまま先へ進むだろう。

そして個人情報を入力してしまうのである。

 

ITリテラシーが備わっていれば、利用規約を読んで個人情報の管理などの重要事項が書かれていない場合は利用をやめるかもしれないし、

初期設定はプライバシー保護に適した設定があればそれに変更しておくだろう。

 

リモートワークが普及したことも要因の一つ

ITリテラシーとはある日いきなり備わるものではなく、少しずつ徐々に積み上げてレベルアップしていくものである。

しかしながらコロナ禍でリモートワークが急務になったことで、ITリテラシーが低いままリモートツールを導入しないと満足に業務ができない状態に陥った。

 

そんな状態でいきなり最先端のツールに触れるのだ。これでは使いこなせなくても不思議ではない。

訳が分からないまま使っている人がいるのは当然だろう。

 

そんなとき、上司から

「trelloという管理ツールが便利らしいから、ウチでも使ってみよう。ちょっと入れてみてくれ」

と言われたらどうするだろう?

上司に言われるがまま、とりあえずインストールして適当に使ってみるだろう。

そして、「なんとなくいい感じです!」と報告するのだ。

 

これは決してtrelloが悪いわけではないし、この人たちが100%悪いわけでもない。

ITリテラシーが低いまま最先端のツールを使わざるを得ない状況になってしまった不運なのだ

 

ITリテラシーとは、

  • 情報を正しく扱える能力
  • コンピューターを適切に操作できる能力
  • ネットワークやセキュリティーを理解する能力

これら3つの能力を指す。

多くの日本人にはこれらの能力がまだ十分に備わっていない。理由は前述したとおりだ。

 

日本がIT後進国だと言われないために

まずは日本人のITリテラシーを高めることが先決だ。

これについては老若男女問わず、日常的にITに触れていることが重要である。

子どもやお年寄りもスマホを持つ時代なのだから、日常的に使い続けていればいい。

ただし、何も考えずに使っていてもアプリの使い方に詳しくなるだけでITリテラシー自体は向上しない。

 

まずはIT関連のニュースを見るだけでもいい。

先般、LINEの個人情報が中国企業に見られているというニュースが話題になった。

こういったニュースを自分事としてとらえて、もう少し深堀して調べてみるのもいい。

知人にIT従事者がいれば、色々教えてもらうといい。

スマホしか持ってないなら、たまには図書館に行ってパソコンも使ってみるといい。

アプリやサービスに個人情報を入力する前に、本当に入力してよいのか?一歩踏みとどまって考えるだけでもいい。

 

誰もがITに関して “無関心であることをやめる” ことが大切だ。

少しでいいから、ほんの少しの関心を持ってITに触れていってほしい。

これが私の、いちエンジニアからの願いであり今日のつぶやきである。